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一押しブランドから着方まで。パーティードレスの極意を探る。【ファッションプロの週間コーデ予報/笠原安代編】 - VOGUE JAPAN

Photo: David M. Benett / Getty Images

編集N お呼ばれシーンが増えるこの季節に合わせて、パーティーシーズンの大人なドレスアップ方法について、2週にわたってたっぷりとお伺いしていきたいと思います! 今週はまず、ドレスのお話から。シーンにもよると思うのですが、どういったデザインのものをどんなタイミングで新調すべきなのか、もし買うなら今後も着まわせるものを選ぶべきかなど、悩みが尽きないですよね。

笠原 大人になるほど、ドレスコードはしっかりと守って主催者にも喜んでもらえるような装いをしたいですよね。ただ、セレブリティのように一度家に帰って全身をドレスアップするようなことは、実際には難しいとは思うんです。また、車で行くのか電車で行くのかによってもチョイスは変わってきますしね。

編集N そうなんですよね。仕事後のパーティーだと、小物だけ変えて参加するのがスマートだと思うんですが、そうなるとつい無難なブラックドレスに頼りがちで…イマイチおしゃれの幅が広がりません。

笠原 日常の延長でドレスアップするなら、アレクサ・チャンみたいに平服を取り入れた着こなしがおすすめ。彼女はこういう今っぽい抜け感のあるドレスアップの達人なんですよね。たとえばこのドレスも日中はパンツと合わせてチュニックのように、夜になったら一枚で潔くヒールを合わせてとアレンジすることもできる。

編集N なるほど。ミニ丈とハイヒールの組み合わせは、それだけでドレスアップ感が出ますよね。ヘアメイクの力の抜けた感じもすごく親近感が湧きます。

Photo: Ricky Vigil M / Getty Images

笠原 そして彼女のさらに素晴らしいところが、アウターを羽織ったときのバランスまで計算していること。さっきのシャツドレスにロング丈のジャケットを合わせたこの着こなしもすごく素敵ですよね。ジャケットは今年の気分にもぴったりだし、ドレスのように見せるセンシュアルな着こなしもパーフェクトだと思います。

編集N 着こなしに悩んだらまずアレクサ・チャンのインスタをチェックする、というのも教訓にできそうですね(笑)。

定番ブラックは遊び心あるデザインを選んでリード。

Photo: Pietro D'Aprano / Getty Images

編集N 定番として外せないブラックドレスについてはどう思いますか? 先ほどもお話した通り、私は割と黒に落ち着いてしまいがちで。でも無難になりすぎず、モードにドレスアップする方法があれば是非知りたいです!

笠原 ブラックドレスは外せない存在ですよね。ただ、アイテム自体には問題がなくても、着こなしで損している人が多いイメージがあります。華やかにしたいからといって安易に巻髪をしたり赤いリップをつけると、古い感じに見えてしまうのでご注意を。レースドレスを纏う方も多いと思うのですが、クオリティが出やすいので、大人になるほど上質なものを厳選して身につけていただきたいですね。

編集N アイテムに安心感があるからこそ気を抜いてはいけない、いうことですね。ちなみに今年らしく見えるブラックドレスはありますか?

笠原 今シーズンはクラシックだったりレトロな感じが気分ということもあり、ポピー・デルヴィーニュのようなヴィンテージライクなデザインが素敵だと思いました。

編集N これはプラダ(PRADA)ですね。こんな華やかなデザインだったら、アクセサリーがなくても十分スタイリッシュに見えそう。

笠原 とはいえハイブランドのドレスは気軽に買えるものではないので、ヴィンテージショップで似たようなデザインのドレスを見つけるのもおすすめですよ。ドレスは比較的時代感が出にくいアイテムですし、お手頃なプライスだったら冒険したデザインにも挑戦しやすいはず。

編集N ブラックドレスだからこそ、遊びあるデザインで差をつけるというのはアイデアですね。

Photo: Jason Davis / Getty Images

笠原 王道の場合は、女優のオデット・アナブルが参考になりそう。ほどよく抜け感もある熟練されたスタイルは、働く大人でも真似しやすそうですよね。旬のチェーンネックレスが効いてるし、クリーンにまとめたヘアメイクもポイントですね。これならオフィスでもパーティーでも対応可能です。

編集N こういうザ・大人のドレススタイル、すごく憧れます。

“大人可愛い”ドレスで、次シーズンのトレンドを先取り!

Photo: Astrid Stawiarz / Getty Images

編集N 笠原さんが今気になっているドレスは、どんなタイプですか?

笠原 次の春夏を意識したフェミニンなムードが気になっていますね。イギリスのティーパーティーに参加するようなレトロな感じがイメージです。それをまさに体現しているのが、ナオミ・ワッツのスタイル。個人的にかなり好きな感じですね。

編集N 大人のスイートなドレススタイルはフレッシュですね。若作りしているように見えないのはなぜなんでしょうか?

笠原 引き算が上手だからだと思います。ナチュラルなヘアメイクや素肌を見せることで、抜け感を作っているのがポイントですね。

編集N ドレスに個性があると小物も引っ張られてしまいがちですが、そうするとトゥーマッチになってしまいますよね。

Photo: Daniele Venturelli / Getty Images

笠原 そうなんです。同じような花柄ドレスでも、女優のブリット・マーリングは小物で少し惜しい印象です。ドレスコードもあったと思うので、一概に何がダメと言えるわけではないのですが、個人的な意見としてはシューズのデザインなどもう少し引き算が欲しかったですね。

編集N こういったロマンティックなワンピースは、どこで見つけられるのでしょうか?

笠原 ヴィンテージでもいいと思いますが、ブランドで探すならセシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)がおすすめ。パーティーといえばボディコンシャスでドレッシーなデザインを連想しがちですが、あえてその真逆をいく素朴で可愛らしいムードを持ち込むのが新鮮で素敵だと思います。

旬のパーティードレスが見つかるブランドをチェック。

編集N おすすめのドレスブランドについてもう少しお話を。最近気になっているのは、コペンハーゲン発のロテート(ROTATE)。私の好きなヴィンテージライクなムードもありつつ、ほどよくエッジが効いていて。ヴィクトリアン調の袖など、デザインが本当に可愛いんです。この写真の二人が創設者なのですが、彼女たち自身のスタイルもとってもキュート。あとは比較的手に取りやすい価格だと、私の周りではセルフ・ポートレイト(SELF PORTRAIT)も人気です。

笠原 ロマンティックなデザインは春夏も流行りそうですし、先取りにいいですよね。

Photo: GoRunway.com

笠原 日本人の体型に合ったものを探すなら、マメ(MAME)サカイ(SACAI)もおすすめですし、甘い感じが苦手な人だったらメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)をチェックしてみるといいと思います。シンプルだけどデザインされたものは普段にも使えるので、投資のしがいがあると思います。

編集N パーティードレスとなると何回も同じものは着たくないけと、普段使いするものじゃないし…と思って、ついファストファッションなどに目がいってしまいますが、それだと着ていても気分があがらないんですよね。

笠原 普段着るものの延長線として考えたら、ワンシーズンで着なくなるものより長年愛せるもの選んだほうがずっといいと思います。いいものを身につけたときのえも言われぬ高揚感や感動は、実際に体験してみないとわからないものなので、まずは試着だけでもしてもらいたいですね。年を重ねた大人ほど体のラインだけではなかなか勝負できなくなってくるので、服の持つパワーに頼るのも大切だと思います。

編集N 身に染みます(笑)。無難なものを買ってタンスの肥やしにしてしまうなら、沢山着たくなるものを買ったほうがいいということですよね。

Photo: David M. Benett / Getty Images

笠原 それから、もちろん着こなしも重要です。ボディラインを気にしてか、ドレスの上からショールを巻く人も多いですが、それだとせっかくのドレスが台無しになってしまいます。潔く肌見せしたほうが意外ときれいに見えるのですが、もし露出が嫌なのであれば袖や長さがしっかりあるものを選んだり、体のラインをひろわないものを着てみてはいかがでしょうか。ギャラリー・ディレクターのマリア・バルショウみたいにクラシックな形だけど色で遊んだスタイルも◎。着こなし次第で普段のスタイルにも落とし込めるというところもポイントです。

編集N 大人の鮮やかなカラードレスも、とても華やかでかっこいいですね! こんな風にすっきりとしたシルエットなら、トライしやすそうです。

笠原さんのドレスアップスタイルをご紹介。

ドレスの場合、デザインが計算されていて素材が上質なものは普遍的な存在であり、自分ヴィンテージにもなるもの。だからこそ妥協せずいいと思えるものを選ぶのが、マイルールです。

このピンクのドレスはステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)。年間を通して着られるようなデザインと上質な素材、そしてレースの刺繍がお気に入り。仕事のあとそのままパーティーにも行ける華やかさと、顔色がよくみえる明るめのトーンもポイントです。アクセサリーをあまりつけなくても成立するデザインなので、今日はギョーム・アンリ時代のニナ リッチ(NINA RICCI)のトートをクラッチ持ちし、ジル・サンダー(JIL SANDER)のブーツを合わせてシンプルにスタイリングしてみました。ヒールでもブーツだと比較的楽なので、長時間立っているような場所でも安心です。

もうひとつお気に入りなのが、セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)のブラックドレス。光沢感があって上品だけど嫌味のない、大人なスイートスタイルにぴったりのデザインです。ギャザーがたっぷりしていてドラマティックだけど胸もとはすっきりしているので、甘くなり過ぎないところがポイント。黒を着るなら、これぐらい遊びがあって華やかなもののほうがいいと思います。今日はクリスティーナ ティー(KRISTINA T)のシャギーニットボレロを合わせて、華やかかつ秋冬仕様にしてみました。ボタンのついていないショート丈のボレロはドレスにも合うので、腕回りが気になる人にはおすすめ。意外となかなかないので、見つけたら買うようにしています。羽織り物をするならこのくらい思い切って短いものか、もしくは腰が隠れるくらい長いものにしてメリハリを作るのがポイントです。

パーティーやお呼ばれシーンが増えるこれからのシーズンは、ぜひちょっと肩の力が抜けた大人のモードなドレスアップスタイルを楽しんでみてください。

Profile
*笠原安代*大手百貨店やセレクトショップのバイヤー・ブランドディレクターを経て、(有)アルテミスを設立。現在はギンザ シックス内のコンセプトストア「シジェーム ギンザ」のディレクションをはじめ、ファッションコンサルトやファッションディレクターとして活躍。

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December 08, 2019 at 03:00PM
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